クリニック開業コンサルはどのように進められる?クリニックTEN渋谷の開業事例をもとに全13工程を大公開!

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「クリニック開業コンサルを利用するか迷っているけれど、具体的にどのような手順で何を開業までサポートしてもらえるんだろう?」

クリニック開業を考えている方の中には、このような疑問を抱えている場合も多いのではないでしょうか。クリニック開業は、医師人生において最大のチャレンジといっても過言ではありません。開業コンサルを受けるとなれば費用が発生するので、サポートしてもらえる内容や「その会社ならではの強み」を知りたくなるのは当然です。

本記事では、弊社が企画から開業までプロデュースした「クリニックTEN渋谷」の事例をもとに、具体的な開業コンサルティングのプロセスを公開します。少し情報量の多いコンテンツとなっていますので、ご都合の良いタイミングで見ていただけると幸いです。終盤にはアウトプットギャラリーとして、プロジェクト中の資料や最終的なアウトプット画像なども掲載しているので、そちらもぜひご覧ください。

【クリニックTEN渋谷プロジェクトの概要】
クリニックTEN渋谷は、2021年5月に渋谷に開業した「次世代型クリニック」。弊社代表であり、共同創業者・大江の「簡単に予約できて待ち時間も少ないけど、患者さんと医者が向き合える時間は確保できるクリニックを作りたい」という想いから生まれた。
クリニックTEN渋谷では「スムーズな医療体験をもっと身近に」をコンセプトに掲げ、これまでの一般的なクリニックとは一線を画す、以下のような「患者さん中心の設計」を施策。
完全Web予約・キャッシュレスでオンラインをサービスのベース設計に
待合室を設けず、診察室で待つ患者さんを医師が伺う診療体制
待ち時間を最小限に抑える動線設計(※平診療均待ち時間1分40秒)

大江航(おおえ・わたる):TEN EXPERIENCE株式会社代表/クリニックTEN 共同創業者&事務長

新卒でデロイトコンサルティングに入社し、主に東南アジアや中国にて自動車領域の商品企画・経営支援に従事。その後、DeNAにてモビリティ領域における経営戦略・新規事業開発を担当。DeNA退職後、2021年5月より医師メンバーとともに、デジタルを組み込み新たな患者と医療の関係性をつくるクリニックTENを共同創業

STEP 1.コンセプト設計

クリニックを開業するにあたって、はじめに行うのは「コンセプト設計」です。コンセプト設計は、弊社におけるクリニック開業コンサルティングにおいて、最も重要なステップといっても過言ではありません

一般的なクリニック開業コンサルティングのコンセプト設計では「ヒアリングの席を設けて、それに対する返答を1回して終了」というケースも少なくありませんが、弊社では開業者の理想をより良い形で実現するため、何度もブレインストーミングを繰り返します。実際に、クリニックTEN渋谷では2~3か月程度の期間をコンセプト設計に費やしました。

具体的に、コンセプト設計では以下4つの工程を行います。

  1.  
  • STEP 1. 開業者がやりたいことを掘り下げる
  • STEP 2. 開業者がやりたいことの解像度を上げる
  • STEP 3. レイヤーごとのコンセプト要素を考える
  • STEP 4. コンセプトを可視化する

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各工程でどのようなことを行うのか、見ていきましょう。

STEP 1 開業者がやりたいことを掘り下げる

いわゆるヒアリングです。開業後に実現したいと考えている理想をお聞きしますとはいえ、ただ理想を伺うだけではありません。開業者は近視眼的になりがちなので、ヒアリングのなかで「依頼者が本当に目指したいものは何なのか」を引き出し、掘り下げて、ものごとの優先順位をまとめ直します。

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STEP 2 開業者がやりたいことの解像度を上げる

ヒアリングした内容をもとに、ビジョンや未来の在り方といった「開業者の本当にやりたいこと」の解像度を上げます。クリニックTEN渋谷の創業者の場合は、もとより「予約の取りにくさや待ち時間の長さといった障壁を解消して、“クリニック=行きたくない場所”という概念を変えたい」というビジョンを持っていました。しかし、ブレインストーミングをして解像度を上げていった結果、創業者が潜在的に考えていた「病気やけがをした患者でなくてもいけるクリニックをつくりたい」という理想が形になりました。

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STEP 3 レイヤーごとのコンセプト要素を考える

開業者がやりたいことの解像度が上がったら、次は店舗を構成するレイヤーごとのコンセプト要素を考えます。レイヤーとは、「階層」を意味する英語です。具体的には、デザインやオペレーションをはじめとした、クリニックを構成する階層ごとのコンセプトを考えていきます

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STEP 4 コンセプトを可視化する

STEP2や3で、これまで会話で広げられた「コンセプト」を可視化し、開業者にアウトプットします。具体的には、コンセプトブックなどの形にするケースが多いです。

コンセプトブックなどに脳内のイメージを可視化すると、開業者だけでなく、クリニック開業に関わるすべての人に明確なコンセプトや意図が伝わるようになるので、認識のズレを解消できます。

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なお、より詳しいコンセプト設計の工程やコンセプト設計にまつわる詳細 については、クリニックTEN渋谷のコンセプト設計担当者の経験談をもとに、以下の記事にまとめられております。コンセプト設計は、弊社が最も力を入れているポイントですので、こちらもぜひご覧ください。

STEP 2. 事業・経営計画

コンセプトが設計できたら、次は事業・経営計画です。コンセプト設計で検討した「理想のクリニック」を早期に実現するために、事業・経営計画では地域選定や機材管理、患者管理といった計画を立て「事業計画書」を作ります。事業計画書は、事業投資するための判断材料です。

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事業計画書は、基本的に開業する医師自身が作成します。とはいえ、「事業計画書をどうやって作れば良いか分からない」という方もいらっしゃるので、そのような場合は弊社がこれまでの知見をもとにアドバイスさせていただく形です。

弊社のクリニック開業コンサルティングは、特にSTEP1の「コンセプト設計」に力を入れています。コンセプト設計で「実現したいこと」はしっかりと固まっているので、事業・経営計画の作成にも反映しやすいのが特徴です

基本的に事業は1人でやるものではありません。事業・経営計画がしっかり立てられていると、実際に事業がスタートしたときに関係者がそれぞれの役割にコミットメントするための「道しるべ」となるので、重要な工程です。

STEP 3. DXコンセプト企画・システム選定

続いての作業は、DXコンセプト企画・システム選定です。電子カルテやレセコンといった具体的なシステムの選定や、PHR(※1)インフラ設計などを行います。といっても、いきなりシステム選定からするわけではなく、まずはSTEP1で定めたコンセプトをもとに落とし込んでいきます。

具体的に事例を用いて「DXコンセプト企画」を説明すると、クリニックTEN渋谷の場合はコンセプトのひとつに「感動的な患者体験」がありました。そのコンセプトをもとに「そもそも“感動的な患者体験”とはどんな体験?」という全体的な道のりを描きました。「感動的な患者体験」を実現するために必要な要素を検討し、要件を満たす機能や連携などのシステム構成を落とし込んだ形です。

一般的なクリニック開業コンサルでは「このようなシステムがあります」と、複数メーカーのシステムを提案しつつ、医師が希望したシステムを取り扱うメーカーに問い合わせを促すケースが多いでしょう。しかし、弊社では医師の実現したい理想を固めたコンセプト設計に照準を合わせてDXコンセプトを企画し、システム選定を行います。

弊社は、開業後のクリニックTEN渋谷の運営に携わっているため、最新のシステム運用データを保有しています。それらをもとに、現場の状況を踏まえながらDXコンセプト企画やシステム選定をサポートできるのが強みです

※1 PHR:Personal Health Recordの略。生涯にわたって個人の健康や医療に関わる情報を記録したデータ。

STEP 4. 市場調査

市場調査では、立地条件や患者動向、診療圏調査などを行います。コンセプト設計の精度を上げ、明確に「勝ち筋」を描くための材料を得ることが目的です。加えて、他院との差別化ポイントをクリアするという目的もあります。

仮に、STEP1で素晴らしいコンセプトができたとしても、周囲に同じようなコンセプトを掲げたクリニックがすでにあれば、開業後に運営がうまくいかないおそれがあります。なぜなら、同じ診療圏に同じ診療科で同じような患者層を狙っているクリニックが複数あったとしたら、患者さんの取り合いになってしまうからです。

クリニックTEN渋谷の市場調査を行ったとき、はじめは「1日に20人しか患者さんが集まらない、競争の激しいレッドオーシャン」という結果でした。しかし、ユーザー調査で100人ほどに次のようなインタビューをしたところ、差別化すべきポイントが明確になったのです。

  • 渋谷のクリニックに満足しているか
  • 日ごろ何の診療科にどれくらいの頻度で受診しているか
  • クリニックで感じている課題は何か

思い描くコンセプトを実現するためにも、近隣の他院と差別化してより良いクリニック運営をするためにも、市場調査は開業準備に欠かせない工程です。

STEP 5. 資金計画・資金準備

資金計画では、クリニックを開業するにあたって融資を得るために、資金計画書などを作成し、金融機関に提出します。提出資料を作成するためには、開業場所や家賃料、想定患者数を考慮して単価感を割り出したのちに、競争環境や資金調達の環境も踏まえてシナリオを描くことが必要です。

堅調ベースのシナリオはもちろんですが、「資金調達がうまくいかずに低予算となってしまった」などの悪い状況のシナリオも想定して描かなければなりません。加えて、悪い状況になってしまった場合に、どのようにしてベストな方向に転換できるかといった対策も検討します。

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金融機関に、提出した資金計画書の「数字を実現できるかどうか」を納得してもらえなければ、希望している融資を得られない可能性もゼロではありません。だからこそ、「このようなシステムを活用すると人件費を削減できる」「このようなオンライン体験を良くすることで、通常のクリニックよりも多い来院患者数が見込める」といったデータを用いて数字の角度を高める必要があります

資金計画・資金準備については、STEP2の事業・経営計画と同様に、基本的には開業する医師に実施していただく作業となりますが、弊社としても資料作成などのサポートをいたします。

STEP 6. テナント契約

このステップでは、実際にクリニックを開業するための物件を契約します。開業したい医師が物件契約者となるため、こちらも基本的には医師主導で進めていただく工程です。物件は「契約できればどこでも良い」というわけではありません。どんなに良いコンセプトが設計されていたとしても物件次第で集患がうまくいったり、反対にうまくいかなかったりすることもあるため、開業後のイメージを考えながら検討する必要があります

実際にクリニックTEN渋谷では、はじめは候補となるテナントが数百軒ありました。そのなかから、ターゲット層がいるエリアや他のクリニックの立地といった条件をもとに4〜5軒に絞っています。さらに、その4〜5軒では動線の検証やレイアウトの設計をし、最終的に現在のテナントに決定しました。

とはいえ、はじめから希望する物件が決まっている医師もいれば、これから開業する物件を探す医師もいて、状況はさまざまです。希望の物件がない場合、医師が開業したい地の土地勘を持っていなければ、クリニックの物件としてふさわしいかどうかの見極めも難しいでしょう。そのような場合は、物件内覧に弊社が同行して立地状況や人流を分析し、目標と立地が乖離していないか、弊社の知見や分析をもとにアドバイスさせていただきます。

STEP 7. 空間プロデュース・建築設計施行

空間プロデュース・建築設計施行では、STEP 1で作られたコンセプトをもとに、空間のデザインコンセプトに落とし込みます。内装や外装、動線設計などの「空間デザインの質」が患者体験に直結するので、クリニック開業において重要な工程です。

たとえば、「患者さんを大事にするクリニック」を掲げているのに、待合室にパイプ椅子が並んでいたらコンセプトとしてギャップが生じますよね。空間プロデュースには、空間を使って開業者の考え方を患者さんに伝える「メディア的な要素」もあるんです。そのうえで、診察室の数や動線確保などの必要な要件も忘れてはいけません。定量・定性の両面から、得られる効果を考慮しつつ、予算も考えながら空間デザインをしていきます。

実際に、クリニックTEN渋谷の空間プロデュースをする際に、最も大変だったのは予算との兼ね合いでした。資金が無限にあればどんなコンセプトでも実現できますが、なかなかそうはいきません。しかし、クリニックTEN渋谷を開業した経験があるからこそ、弊社では予算を考慮しながら最大限コンセプトを活かした空間プロデュースが可能です。

また、弊社ではクリニックの空間設計をするうえで「診察室=売上の最小単位」という考え方を大切にしています。同じ30平米のクリニックであっても、診察室が3つか4つかで収益は異なります。コンセプトを実現することはもちろんですが、将来的な経営も考えて、患者体験と経営の効率化を両立したレイアウトを作るのが重要なポイントです。

空間プロデュースをはじめとしたクリエイティブワークと、医療経営の両方に精通している人は少ない現状があります。弊社は、実際にクリニックTEN渋谷を一から設計・プロデュースし、現在も運営に携わっているので、実体験にもとづいたコンサルティングができるのが強みです。

STEP 8. 設備選定

院内に設置する医療機器類の選定を行います。クリニック運営に必要な医療機器は、X線や超音波診断装置など、開業する診療科によってさまざまです。医療機器類の選定は、クリニック開業が初めての方にとって不安な作業のひとつでしょう。

たとえば、超音波診断装置を導入するとなったら、どのメーカーを選ぶべきか。購入するかリースにするか、購入するならば新品か中古か、といったように「どんな選択肢や候補があるのか、何を選べば最適かわからない」と悩みがちです。そこで弊社は、以下のようなサポートを行います。

  • メーカーのご紹介
  • 見積もり比較の段取り
  • 契約手続きの補助

弊社はクリニックTEN渋谷の運営にも携わっているため、コンサルタントとしての目線だけでなく、医院側の立場からも助言が可能です。

STEP 9. WEBマーケ企画・グラフィック制作

WEBマーケ企画・グラフィック制作で実施する内容は、大まかに分類すると以下の4つです。

  • ロゴ制作
  • ホームページ制作
  • マーケティング企画
  • 広報施策

これらを行い、「患者さんにクリニックを認知してもらうための道筋」を立てます。そのためには、ターゲットを絞ることが重要です。「ターゲットは大きければ大きいほど良い」と捉えられがちですが、絞らなければメッセージは届きません。絞ったターゲットに対してしっかりと期待値をセットし、事業計画を実現するための施策を行います。

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とはいえ、ホームページ制作やロゴ制作など、各施策単体だと「単なるデザイン」でしかありません。弊社では、STEP1のコンセプト設計に力を入れているので、固めたコンセプトをもとに「言葉から」ロゴやホームページを作り込んでいきます。典型的なテンプレートではなく、医師の想いに沿った施策をできるのは弊社ならではの強みです。加えて、弊社はコンサルティング事業だけではなく、クリニックTEN渋谷の運営にも携わっているので、最新の状況やデータを用いた実践ベースでの集患施策ができます

また、新規の患者さんを獲得し続けるのは大変なので、その先を見据えて再診の比率を増やすための施策も重要です。

ロゴ制作

「名は体を表す」という言葉のとおり、ロゴはクリニックのコンセプトを体現するものです。「ロゴ=クリニック名」といった印象を抱かれるので、マーケティング的な要件を考慮しながら制作する必要があります。

ホームページ制作

近年は、クリニックにおけるホームページの重要性も極めて高いです。クリニックTEN渋谷では「完全Web予約」を掲げているため、ホームページからアクセスした患者さんの離脱率をできるだけ下げる動線を意識して、ホームページを制作しました。

具体的な例をあげると、クリニックTEN渋谷では「3タップで予約が完了できる設計」になっています。クリニックの予約をWeb取得するとなると、氏名や生年月日といった情報を入力し、会員登録を完了させてから予約枠の空き状況を見られるのが一般的です。しかし、クリニックTEN渋谷では、ホームページのトップ画面で、当日も含めた予約の空き状況が確認できるようになっています。

予約完了までのステップが長いと患者さんが離脱しやすくなってしまうため、それを防ぐ動線設計をしました。

マーケティング企画

SEO対策、MEO対策、リスティング広告などクリニック開業にあたって行うマーケティング企画は多数あります。当然のことながら、開業初期の患者数は少ないケースが多いです。その限られた状況のなかで予約数を確保するとなると、効率的な動線づくりが必須となります。

たとえば、患者さんが「地名+診療科名」で検索したときに、クリックされやすいのは検索上位に表示されるサイトです。クリニックのホームページをクリックされやすくするためには、検索上位に表示させるための施策を行う必要があります。そのために、検索されやすい構成づくりやキーワードの選定を行います。

広報施策

弊社では、広報施策も重要視しています。その理由は、患者さんにクリニックの特徴やブランディングを認知してもらうためです。

クリニックTEN渋谷では、「待たない患者体験」を掲げており、診察までの平均待ち時間は1分40秒となっています。しかし、これは予約時間に診察する人が多ければ成り立ちません。患者さんが遅刻しないための期待値をどう作るかは、広報の力が大きいと思っています。

患者さんが「クリニックを受診したい」と考えるのは、病気になったときです。今後のクリニックでは病気になってからではなく、ベースラインとして「必要時にかかりたいクリニック」と思われるための広報施策が重要です。

STEP 10. 各種開設手続き・届出

各種開設手続き・届出のフェーズでは、文字通り開業に必要な諸手続きとそのために必要な準備をします。開設手続きや届出にミスや漏れがあると、開業のタイミングが遅れてしまったり、最悪の場合は開業できない可能性もあるので注意が必要です。どの行政や機関とやり取りが必要か、どんな書類を提出する必要があるのか、など注意すべきポイントを踏まえながら、先回りしてアドバイスいたします。

以下は開業時に行う各種開設手続き・届出の例です。

  • 診療所開設届(保健所)
  • 保険医療機関指定申請(厚生局)
  • 税務関連手続き(税務署) など

これらはほんの一例であり、他にもたくさんの手続きがあります。とはいえ、クリニック開業がはじめての方は「いろいろな手続きが必要」という認識はあっても、何から準備を始めれば良いのか、書類は正しく準備できているかといった不安を感じるケースも多いでしょう。弊社では、クリニックTEN渋谷を立ち上げたため、各種手続き・届出の経験からもご助言が可能です。

STEP 11. 内部環境構築

内部環境構築では、患者体験価値の初期設定やオペレーション設計を行います。クリニックを安定的に運営するためには、「仕組みづくり」が必要です。理想をもとに、それぞれのスタッフが思い思いに働いていても、安定的なクリニック運営はできません。

そのうえで、弊社の開業コンサルティングでは「コンセプトを体現する」ことを重要視して、内部環境構築を行っています。たとえば、クリニックTEN渋谷では「待たないクリニック」を掲げていますが、仕組みづくりができていなければ患者数が増えたときに対応できず、コンセプトを体現できません。

クリニックTEN渋谷のオペレーション設計で、実際に「待たないクリニック」を実現できるのか、予約から患者さんが帰るまでのフローを何度もシミュレーションしました。シミュレーションの結果、もしコンセプトが実現できそうになければ、動線設計やシステム状況を見直して、改善策を検討します。

コンセプトと照らし合わせ、整合性を確保したうえでの「収支を両立させるための仕組みづくりは」弊社ならではの強みです。弊社は、エンジニアや空間デザイナーなど、多数の経歴を持った人材が所属しています。同時に動かせる変数が大きいので、オペレーションの調整余地があるのが特徴です。

STEP 12. 運営環境構築

運営環境構築では、建物ができたあとの内部環境に合わせて実際にオペレーションを回し、チューニングします。空間やクリニックの開業後、スムーズな診療を行うためにはロールプレイやシミュレーションが重要です。弊社では、ロールプレイングやシミュレーションの準備の進め方について、助言や支援いたします。

具体的に、運営環境構築で行う内容例は以下のとおりです。

  • 受付・電話対応
  • 機材の取り扱い
  • 消耗品の発注 など

弊社は、実際にクリニックTEN渋谷を立ち上げているため、より良い運営環境を構築するためのロールプレイングを繰り返し行った経験があります。コンサルタントとしての立場だけではなく、実際にクリニックを開業させた経験者の立場から助言できるのが特徴です。

STEP 13. オンボード

オンボードでは、実際にスタッフが稼働したときに問題がないかをシミュレーションします。シミュレーションの結果、トラブルが発生するようであれば、弊社に相談や壁打ちが可能です。

オンボードで弊社が支援する内容は、具体的に以下のようなものがあります。

  • システムサポート(操作サポート)
  • 集患マーケティングサポート
  • スタッフ教育 など

たとえば、クリニックTEN渋谷は「患者さんが待たないクリニック」というコンセプトのもと、完全Web予約を取り入れたり、待合室をなくしたりといった一般的なクリニックとは異なるつくりを取り入れました。しかし、いざクリニックがオープンしたときに、スタッフがシステムを使いこなせなかったり、患者さん対応の動線がうまくいかなかったりしたら結局患者さんをお待たせすることになってしまいます。そのような事態が起こらないように、最終的なシミュレーションが欠かせません。

ここまで来たら開業まであと一歩です。スムーズにクリニックが開業できるよう、クリニックTEN渋谷の開業経験をもとにサポートさせていただきます。

クリニック開業を検討している方へ

クリニック開業を成功させる肝は、ずばり「コンセプト設計」にあります。とはいえ、1人でコンセプトを考えても言語化できなかったり、ビジュアル化が難しかったりする場合も多いでしょう。しかし、弊社のスタッフに考えられている理想をお話いただければ、クリニックTEN渋谷の開業時の経験やプロセスから、「1人では考えつかなかったコンセプト展開」をサポートさせていただきます

これからのクリニック開業は、ますます難易度が高くなるでしょう。なぜなら、開業したい人が増えているうえにコストも上がる一方で、かつ人材採用も簡単ではないからです。これまで一般的だった「たくさんのスタッフを雇用して、たくさんの患者さんを診る」という運用形態は、成り立たなくなりつつあります。となったときに、何を重要視すべきか、何をアップデートすべきか、最先端の状況を知る相談役がいなければ20年・30年続けられるクリニックを実現するのは難しいでしょう。

クリニック経営を続ける難しさは多方面にわたりますが、その「難しさ」を開業前に理解し、早い段階から先回りした設計を作れれば、確実に資産になります。我々が目指すのは「コンセプト事項をちょっと示すだけの存在」ではなく、「中身が詰まった形でコンセプトを一緒に実現させるパートナー」です。あなたの理想を100%ではなく、200%で実現させるためのチームとして、伴走させていただきます。より魅力的なクリニックを開業したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。